2012年10月7日日曜日

今日のワイン:Lilian Bauchet "Ceci n'est pas une banane (Beaujolais Nouveau 2011)"

フランスの今年のブドウ収穫もそろそろ終わる頃。もうすぐボジョレ・ヌーヴォーの季節ですね。

…って、夏休み明けの9月半ば、お店に戻ったら去年のボジョレ・ヌーヴォーが山積みになっていました。「あ、もうヌーヴォー届いたの?」と反射的に反応されたお客さんに「ええ、10ヶ月くらい前にねー」とお返事しておきました。
多分、店主があまりやらない大々的な片付けをしていたら出てきたのでしょう。本当に整理が悪い店です…。(いや、わざととっておくこともあるんですけどね。今回のは忘れていたものと思われる。)

ほとんど誰でも知っていることだと思いますが、「ヌーヴォー」とはフランス語で「新しい」という意味で、ボジョレ・ヌーヴォーはボジョレの新酒なのです。販売解禁日は11月の第3木曜日と決められており、ワイン好きでなくても「季節ものだから」と飲んでみる人も多く、この日のワイン屋はちょっとお祭りのようになります。(日本では、ボジョレ・ヌーヴォーのプールができたりすごいイベントがあって、フランスよりももっと盛り上がるようですが…。)そして一般的には、ヌーヴォーというからには新しさに意義があると考え、ほとんどの場合は遅くとも11月中に売り切ってしまいます。
でも本当は、その年のブドウの出来具合にもよりますが、ちゃんと造られたワインならヌーヴォーでもかるく1年2年はもちます。

さて、当然のことながら、長くストックしていたワインは、店主が必ず試飲してから出すかどうか決めます。なので、時期はずれに再び山積みされたボジョレ・ヌーヴォーを見て、店主に「味見したの?どうだった?」と感想を聞いてみたら、「うん、美味しいよ、機会があったら君も飲んでみるといいかもよ」との返事。

ということで飲んでみた去年のヌーヴォー。
リリアン・ボシェの「これはバナナではない」という名前のついた2011年のボジョレ・ヌーヴォーです。
ボジョレ・ヌーヴォーの典型的アロマの表現として、よく「バナナの香り」と言われるので、それを揶揄したものでしょう。そして、マグリットの「これはパイプではない」のパロディ。なかなかユーモアがきいてます。

抜栓してみたら炭酸ガスがかなりあって、時間をおけばもっと落ち着いたのでしょうが、その前に飲んでしまって…って、すいすい飲めるワインだったということですね。ちゃんと果実味とタンニンがあって、まだまだ若々しいフレッシュさが魅力的。ヌーヴォーうんぬんを抜きにして、普通にボジョレとして美味しいワインでした。

今年のボジョレの収穫量は激減だそうですが、どのような出来になるのでしょうか。ちょっぴり心配(生産者さんの苦労を考えると)、でも楽しみです。

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