2012年12月11日火曜日

今日のワイン:Le Temps des cerises (Axel Prüfer) "La peur du rouge" 2011

「今日のワイン」というか、最近気に入っているワイン。

ルシヨン地方の生産者、アクセル・プリュフェールの「ラ・プール・ドュ・ルージュ」2011年。泡ものです。
シャルドネ100%。最初はビールっぽい穀物系の辛口な印象なのですが、ワイン自体にはまるみもあります。そして、うーん、ミネラル感のせいなのかな、ものすごーく後を引く(やめられなくなる)のです!

2011年は、このスパークリングにまわした分と、同じ名前でスティルにまわした分があります。
…って、この写真では、瓶の色が違うだけで、
あんまり内容の違いがわかりませんね…。
こちらはだいぶ甘みを感じます。発泡しなかった分、糖分が残っているのかな。

さて、余談。
ドメーヌ名は「ル・タン・デ・スリーズ」といいますが、同名のシャンソンがあるので、なんとなく聞いたことがあるという人もいるかもしれません。日本語タイトルだと「さくらんぼの実る頃」。宮崎駿監督の映画「紅の豚」の中で加藤登紀子さんが歌っています。もとは恋心の歌ですが、パリ・コミューンの時代に弾圧批判として市民の間でよく歌われたのだそうです。(「血の一週間」と呼ばれる特に弾圧のひどかった時期がさくらんぼの実る頃であったこと、歌詞に「開いた傷口」「血」に「落ちる」「さくらんぼ」の「思い出」など弾圧を彷彿とさせる部分があったことなどがその理由だそうです。)
そして、このドメーヌのワインの名前、なにげに政治色が表れている?今回の「ラ・プール・ドュ・ルージュ」とは「赤への恐れ」という意味で、なるほど白ワインなわけですが、冷戦時代の「赤狩り」の意味でもあります。その他、赤ワインで「アヴァンティ・ポポロ(Avanti Popolo)」というのもあって(これもおいしいです)、これは「民衆よ、前へ」という意味で、「赤旗」というイタリア語の革命の歌の最初に出てくる言葉のようです。
生産者のアクセル・ピリュフェールとは、じっくりお話したことはありませんが、試飲会で会った感じでは、わりとおっとりとした雰囲気の人だったので、改めてワインの名前のことを考えると、意外な感じ…。でもそういう気概のある人なのでしょう。私はそういう人、好きです。ワインも、今年テイスティングしたものは個人的には全部好きでした。お気に入りドメーヌがまたひとつ増えました。

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