2014年4月21日月曜日

マルセイユの試飲会 La Remise

ずいぶん前の話になってしまいますが、3月末の日・月曜、マルセイユでワインの試飲会「ラ・ルミーズ」がありました。自然派ワインの試飲会としてはわりと大きめ。前回の「ディーヴ・ブテイユ」ほどではありませんが、参加生産者数は64と、やはり2日かけないとテイスティングしたいスタンドを回りきるのは難しい。泊まりがけの小旅行になってしまうので行こうかどうしようか迷っていたところ、店主がお店の経費で行くというので便乗することに。マルセイユはパリからずいぶん離れているものの、数年前に新しいTGVの線路が開通して、3時間半で行けてしまうのでわりと近くに感じられます。

「ラ・ルミーズ」は生産者のアソシエーションが主催で、仲間で協力して作る雰囲気があり、個人的に好きな試飲会です。お店と取り引きのある生産者さんもいっぱいいて、気がおけないのも心地良い。

会場は昨年と同じラ・フリッシュというところ。…といっても、私は昨年のこの時期日本に行っていて逃したので、初めての場所です。オープンな雰囲気で、カフェはイベントに関係なく利用でき、ちょうど私たちが到着したランチタイムにはテラスで食事している人が沢山いました。もちろん試飲会に来た人もいましたが、何しろ天気が良く、日曜だったので家族連れが多く、和やかで良い感じ。

入口で店名を言ってプロ用のチケットと領収書を出してもらっていたら、ふとノートパソコンの横に見覚えのあるショップカード発見。あのカラフルでかわいいカードは…京都のドゥー・コション!受け付けのジョスリンヌに「どうしてこのカードが?」と聞いてみたら「ああ、彼らさっき来たのよ」と。なんと、日本から!?わーすごい!ドゥー・コションのお二方に会えるなら、やっぱり来て良かったなあ〜。

会場の中は、試飲会のシンボル(?)になっているイラストの綱渡り男がそこかしこに吊るされ、いたるところに渡してあるロープにはTシャツやスカートなどが干してあって、なかなかかわいいデコ。その洋服もただの飾りではなく、生産者名が書かれていてスタンド表示になっていました。スタンドは樽を利用、そして(写真を撮り損なってしまいましたが)ピエール・ボジェのスタンドはなんとアイロン台でした!粋だあ(?)。




テイスティングを始めてしばらくして、ドゥー・コションのマサミさん&マサタカさんと再会。覚えていてくださって、あちらから声をかけていただいた!いやぁ、嬉しかったです。その後も時々顔を合わせて立ち話をしましたが、せっかく日本からいらしたのにテイスティングのチャンスを奪ってはいけない…と気持ちが引っかかってあんまりゆっくりできなかったのが心残り。

その他にもドイツからいらしたワイン輸入業の方とお知り合いになり、何度かお会いしたことのある日本のインポーターさん&その関係者でフランス在住の友人、お話する機会はありませんでしたがリヨンでレストランをされている石田さんファミリーなどお見かけして、日本人参加率結構高かったような。そして生産者としてはオーヴェルニュのミトさんも。スタンドないのに何気に自分のワインをふるまっているしw

今回は「ディーブ・ブテイユ」のときのゆるゆるでヤル気なかったことを反省し、しっかりメモもとる態勢。もし店主と生産者さんの世間話が長引くようなら別行動でガンガンテイスティングしよう!…とひそかに意気込んでいたのですが、結局店主とまわることに…。でも今回は彼もあまりだらだらと時間をとることがなく、会場で偶然出会った友人と一緒に試飲したり意見交換したりしながら、比較的効率よく、かつ楽しくテイスティングできて良かった。

しかし、一日かかりっきりのテイスティングは、やはり疲れます…。

夜は会場で生産者さんたちとのディナー。最初は参加しないつもりでしたが、よく考えたら日曜だから開いているレストランもそうないだろうし、地の利のないところで探すの面倒…ってことで、運良く空いていた席を確保。
午後、テラスでバーベキューのように火をおこしているのが目につきました。もしかして今夜の準備?と期待がたかまる!

午後遅く、連絡係が生産者さんのところへ「君たちはメインの皿を運ぶ係だからヨロシク、前菜の皿はさげなくて良いから」などと伝えてまわっていました。テイスティングのスタンドを担当するのはもちろんのこととして、その準備や後片付けだけでも大変だろうに、夕食のサービスまでやるなんて…みんなヤルなあ、スゴイ連帯感だなあ〜と感心してしまいました。

夜7時を過ぎ、会場内は整理され、テーブルのセッティング、バンドのセッティング…って、あれ?ライブもあるの?

バンド演奏が始まったのを横目に見ながら、オトゥール・ダン・ヴェールのケヴィン&ビッキーとテーブルについて、のんびりとディナーが始まるのを待つ。待つ、待つ、待つ…。
やっぱり時間通りに始まらないんだよねえ。
しかし、さすがマルセイユ(?)、前菜にスープ・ド・ポワソン!おー南仏の味。
前菜が終わって、メイン…のはずが、これもまたもや待つ、待つ、待つ…。
その間にもバンド演奏。席を立って踊り出す人続出。あーやっぱフランス人ってこういうの好きだよねえー(偏見?)。
このときはアコーディオンが出てシャンソン風。
しかしこの後ロックになり、カオス状態に…。
メインはロースト・ビーフ、付け合わせにサラダたっぷり。これ、外で焼いてたやつかな?美味しい〜。
ワインもいっぱい並んで、テーブルを渡り歩けば他にも色々な種類が飲めたのでしょうが、もう自分のいるテーブルだけで飲みきれないほど。その中でも一番美味しかったのはピエール・ボジェのガメイかなあ…あー、なんという幸運。
メインの後、チーズそしてデザートと聞いていたけれど、なかなか出てこない。というか、バンド演奏がまた始まって、飲めや歌えや踊れやの大盛り上がりになり、それどころではない感じ。またしても待つ、待つ、待つ、待つ、待つ…。
気づけばもう11時過ぎ。実はこの日、夏時間に変わった初日で、体内時計は1時間の時差があって(つまり前日までならもう0時)、なんだかぐったり。それでもデザートは出てこず…。これだから生産者ディナーはやめようって言ってたんだよー。どうせ店主も私も踊らないし。
結局、チーズはなく、デザートのパリ・ブレストが出て、それをさっさと平らげて(半分以上ケヴィンに手伝ってもらった)会場を後にしました。部屋へ戻ってバタンQです。

 翌日は会場へ行く前にマルセイユを少しだけ観光。港まで行ってみました。
「これぞ南仏!」な青い空と青い海をちょっぴり満喫。
丘の上のノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院まで行けなかったのが残念…。

結局、2日かけても全部はテイスティングできませんでしたが、まあまあ満足。
個人的に良かったのは、北ローヌ地方サン・ジョゼフのジャン・ドゥローブル(ドメーヌ名は「フェルム・デ・セット・リュンヌ」)とラングドック地方サン・シニャンのヤニック・ペルティエ。どちらもものすごく久しぶりにテイスティングしました。ジャン・ドゥローブルは、まるみもありながらすっきりした酸と細かいタンニンでバランス良く、どれも美味しかった。特に、以前はかなり甘かった2009年の白「マル・リュネ」が、残糖が落ち着いて酸化熟成の風味が出て良い感じになってきていたのが嬉しい。ちなみに「マル・リュネ」とは「不機嫌」という意味。残糖が多かったせいでAOC落ちしたため、こういう名前のキュヴェになったそう。ヤニック・ペルティエは、まだ若いかな?というヴィンテージでさえ、やはり柔らかさがある。彼の人柄がでているのかなあと思います。

マルセイユは少し遠かったけれど、楽しかった!
やっぱりたまには南仏にこなくちゃ!!と実感した2日間でした。

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