2016年10月4日火曜日

2016年ボジョレ収穫:Domaine de la Grand' Cour

先々週(9月20日〜24日)、短期間でしたが、ボジョレへぶどうの収穫のお手伝いに行ってきました!

3年前、サヴォワ地方へ初めてぶどうの収穫へ行き、昨年はジュラ地方(ブログには載せていませんが)、そして今年はボジョレ。

サヴォワとジュラは、ワイン生産地として比較的マイナーな地方。生産量も他の産地より少ない。なぜそういう選択だったかというと、「収穫」という作業にも興味がありましたが、それよりもワインそのもの、そのワインをつくる生産者さんに惹かれたから、と言えるかもしれません。
今回は、ワイン屋で知り合ったアメリカ人の友達がボジョレに住んでいて、「一緒に収穫できるよ」と言ってくれたので、お言葉に甘えてお邪魔してきました。彼はボジョレ・ワインについての本を執筆中。色々な生産者さんと交流し、たくさんのワインをテイスティングしているので、頼もしい。
正直にいって、個人的にボジョレのワインは以前はあまり得意ではありませんでしたが、いくつかの生産者さんのワインを知ってから「ボジョレ」という括りを超えて飲むようになりました。中でも、ミッシェル・ギニエ、イヴォン・メトラ、クリスチャン・ドュクルーが大好きです。
なので、今年の収穫は、特定のワイン生産者さんをピンポイントで訪問するのではなく、「地方」へ訪れるという感覚。

ボジョレまでは、パリからマコン・ロッシェという駅までTGV(フランスの新幹線)で約1時間40分、そこからバスで友達のアパートの住む村までバス。バス停には友達がスクーターで迎えにきてくれました。 アメリカの運転免許がフランスで通用しないということで、彼はボジョレの町をスクーターで走り回っています。私はその後ろに乗っけてもらい、まずはフルーリーの町の中心でお昼を食べ、そこからドメーヌ・ド・ラ・グランクールへ。
偶然ですが、パリのワイン仲間たちが大好きなドメーヌで、昨年は彼らのところに行くと必ずここのワインが出てきて飲んでました。
ドメーヌ主のジャン=ルイと連絡がつかず、直接行ってみたところ、ちょうど車に乗って収穫へ出発する間際でした。すごいタイミングーー!
手伝いに来た地元の二人の女性と同乗し、「シャンパーニュ」という区画の畑へ。

ドメーヌはフルーリーにあり、今年、周辺は雹の被害にあって大部分のぶどうが傷つけられ、収穫は激減。この日、例年なら20人ほどの収穫チームを組んでやるところを、総勢7、8人でした。ぶどうの木や葉にはやはり元気がない。「やせ細っている」といった印象。そして、果実もかなり少なく、全体的に小さめ。たまにしっかりしたきれいな房もあって、少しほっとしたり。結果、絶望的と予測していた量よりやや上回ったようです。
今回、一本あたりのぶどうの数が少ないので立ったりかがんだりが頻繁なためか、腰が痛くなってしまいました…。実は腰が痛くなったのは初めてです。ボジョレの木の仕立てが低いせいもあるかもしれません。
途中、小休憩をはさんで夕方5時半に終了。

ドメーヌに戻ると、他のボジョレの生産者さんたちも遊びに来ていて、ジャン=ルイが自分のワインの色々なキュヴェを振る舞ってくれました。しばらくして、10日間ほどカーボニック・マセレーションしていたぶどうをタンクからプレス機へ移す作業にとりかかりました。
しかしプレス機が故障…。結局その後、一度移したぶどうが酸化してしまう前にタンクへ戻したそうです。翌日、修理の人が来てくれたようですが、その人もこの時期はプレス機の故障で呼ばれることが多いらしい。考えてみれば、プレス機は一年でもこの時期しか使わないし、しかもフル稼働。ある生産者さんが「一週間使いっぱなしだよ」と言っていました。
ちなみにすでにタンクへ入っていたのは、南フランスから取り寄せたサンソーという品種。ラングドックの友達の畑を夏先に訪問したときに、雹被害で収穫が見込めないとわかっていたので、そこのぶどうを買うことを決めたそうです。ジャン=ルイとしては初めての品種。ボジョレではガメイ種だけですからね。新しい試み、ちょっぴり楽しみです。

翌朝、ドメーヌに7時半集合。この日はドメーヌを囲んでいる「クロ」という畑。 ジャン=ルイの友人が二人ほど加わったとはいえ、昨日と同じく少人数での収穫。やはりぶどうは少なめ。

10時頃、ジャン=ルイが車で乾燥ソーセージやパテ、チーズとワインを運んでくれて小休憩。わー、これが噂に聞いていたボジョレ収穫おきまりのcasse-croûte(カス・クルート)かあ!!…と内心ちょっぴり感動。今まで参加した収穫では、これはありませんでした。とはいえ、あまりお腹も空いていなかったし、太陽にあたって酔っぱらってしまいそうだったので控えめに。他の人たちは次々とつまみ、2杯、3杯と飲んでいました。元気!

お昼にドメーヌに戻ってご飯。ジャン=ルイと彼の娘さん、オフェリーが用意してくれました。いつも周りに気を使い、笑顔で大きな声で話すジャン=ルイが「キールにするかい?それとも白ワイン?」「昼ご飯は肉だよー!」「まだたくさんあるから、好きなだけとりな!」とみんなに声をかけ、楽しいひととき。前菜に出たトマトは庭でとれたものだそうで、真っ赤で甘くて美味しい。でも「これが今年最後のトマト。自家菜園も雹でやられたから」と肩をすくめるオフェリー。ちょっとせつない…。
お天気が良く、日陰のテラスで飲んで食べて、和やかな雰囲気で、あー気持ち良い!…って、あれ?何しに来たんだっけ?…と一瞬わからなくなったりして。

午後の収穫の途中、なるべく気をつけていたけれど…やっぱりやってしまった!はさみで指先を切ってしまいました。不器用と不注意は性格のせいだろうなあ、毎回やるんだ、これ…。畑の監督に来ていたジャン=ルイの息子さん、ジュスタンに「絆創膏ない?」と聞いてみたら、「んー、ここにはないなぁ…青いぶどうの汁をつけると消毒になるんだけど」と教えてくれました。なるほど、まだ熟していないぶどうの実は酸が多いので、それで殺菌できるんですねー。ぶどう生産者豆知識?

先日と同じく午後5時半頃、収穫を終え、少ないながらもいっぱいになったケースを積み上げ、一旦冷蔵貯蔵庫へ。
一日のお仕事が終わって、解散の前にみんなでアペリティフ。

っていうか、昨日からワイン飲んでソーセージとパテとチーズばっかり食べている気が…。

(つづく)







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